懐かしの歌声

 ある歌を探して YouTube を訪ねたら、またまたうっかりはまってしまう。要は仕事をしたくないというか、考えごとをしたくないということなのだろうが。
 それにしたって、いかに古い歌が好きと言っても今日は岡本敦郎氏に三浦洸一氏というのだからいくらなんでも古すぎるか。岡本敦郎氏は1924(大正13)年、三浦洸一氏は1928年(昭和3)年のお生まれである。お二人とも戦後のデビューで、岡本氏が1946(昭和21)年、三浦氏は1953(昭和28)年だ。
 幼い頃からこのお二人のことが好きで、両親と見る「懐メロ」の番組に出演されるのを心待ちにしていたものだった。岡本氏だったら『白い花の咲く頃』(1950年)、『あこがれの郵便馬車』(1951年)、『高原列車は行く』(1954年)。三浦氏ならば『落葉しぐれ』(1953年)、『東京の人』(1956年)、『踊子』(1957年)といったところか。
 こんなに髪をきちんと分け、こんなに背筋をピンと伸ばした人たちが大人気の流行歌手であったとは、今の人たちにはなかなか理解しづらいかも知れない。もっとも、私も昔の人というわけでもないのだが。それに、お二人の声の高さにも驚く。昔の男性歌手の声は総じて高かったようにも思うが。
 驚くことと言えば、今日驚いたのは、お二人の曲をはじめとする懐かしい歌の数々を YouTube にアップしていらっしゃるのが70歳代・80歳代の年輩の方々であるということだった。パソコンやインターネットは、特定の世代のツールではないということだ。