暗号放送

 何が驚いたと言って、TBSラジオが1月30日いっぱいでステレオ放送を終了していたというのだ。このところ、ステレオ非対応のラジオチューナーを内蔵した ICレコーダーで録音したものばかり(仕方なく)聞いていたものだから気がつかなかった。これで、在京のラジオ局でステレオ放送を続けているのは、文化放送とニッポン放送のみになってしまったわけか。
 もう SRF-M100 も SRF-A300 も SRF-AX15 も D-3000 も WX-C70MD も CR-D60 も CR-DS805 も CR-S8 も FR-ST5 も CSD-EX03 も、まるで暗号放送のように並べてみたこれらの機種のすべてが持つ意味の半分を失ってしまう。AMでもステレオが聞こえるなどと言って大騒ぎしていたあの頃はいったい何だったのだろうか。ステレオで聞きたいなら radiko を使えと言われるかも知れないが、あんなにクリアな音を聴きたいわけではない。少しこもったようであたたかい、あの AMステレオの音が好きなのだ。
 だいたい、radiko は確かに便利だけれど、放送をデジタル化することによってラジオが「時報」を放送できなくなってしまうなんて、そんなバカな話があるものかと思う。それに、テレビもラジオも、1秒を争うと言って緊急地震速報の放送を始めておいて、デジタル化によって生じるタイムラグをまるで問題にしないなどという愚かな話のあってよいはずがないではないか。