今さらながら

 ひとに遅れて気付くことというのはいくつもある。
 最近では、TOKYO FM の Suntory Saturday Waiting Bar "AVANTI" という番組に出てくる取手豪州という人物の声が宮川賢にそっくりだということ。番組では取手豪州は実際するものとして扱われているので、言い方には気を付けておく。
 もうひとつ、河合奈保子が作曲して自分で歌っていた『ハーフムーン・セレナーデ:Grass Harp Pianissimo』という曲は、『月半小夜曲』という中国語名を持ち、香港を中心にたいへんに有名な曲になっているということ。彼女は、アイドル歌手としてデビューしたが、のちに自作に転じ日本作曲家協会の会員にもなった。我が国が世界に誇るべき作曲家のひとりなのである。
 さらにひとつ。ずいぶん前のことだが、何か見るべきものはないかとテレビをチャンネルを回しているとき(実際には回さないが)、たまたまNHK教育テレビで放送していたずいぶん古い番組に目がとまった。画面には、『こころの時代』でおだやかに話していらっしゃる東井義雄氏の姿があった。番組はもう終わり間近であったが、その短い時間の中で仏法に通じる何かを感じたのだった。お坊さんのような先生のような人だなと思い、あとで調べてみたら、事実、お坊さんでもあり先生でもある方だった。東井義雄氏は有名な方だと思うが、その時までは存じ上げなかった。まさに「今さらながら」なのだが、この方に出会うことができてよかったと思ったのである。