東北のさくら

 上野原の授業は今日から。いよいよ慌ただしい日常が戻ってきた。帰り際、携帯電話に緊急地震速報が入る。備えているとずいぶん大きな揺れに見舞われた。福島県を中心に相当の被害が出たことは帰りのクルマのラジオで知った。その後も余震は頻発。運転中も5分おき10分おきにニュースが飛び込んできた。戻ってきた余震酔いと、わずかな揺れをも感じ取ってしまう過敏さで少々苦しむ。
 会員への通知文書に久しぶりに切手を貼ってみようかしらと出講前に郵便局に寄ってみたら、桜の図案の美しいシートを手渡してくれた。左肩に「東北のさくら」とある。青森の「弘前城と桜」、岩手の「石割桜」、宮城の「一目千本桜」、秋田の「桧木内川と桜」、山形の「久保桜」、福島の「三春滝桜」が描かれているものだった。
 何気なく買い求めて使ってしまったのだが、あとで調べてみると、これは「ふるさと切手」の一種で2000年の4月3日に東北地方で販売されたものだとか。よく調べてみたら2008年に再販売されているようなのだが、それにしたって販売地域は東北地方とある。どうして上野原の郵便局にあんなにたくさんあったのだろう。
 東北地方を襲った地震の影響で私たちの会も活動日程を変更することになり、その通知文書を送る封筒に東北地方を代表する桜の描かれた切手が貼られる。これらの桜はどれも無事なのだろうか。不思議なめぐり合わせを思ううちに、そんなことを考えた。