襷の色はオレンジ

 東京駅集合7時50分。8か寺、120人の大所帯である。8時半過ぎの「ひかり」で昼前には入洛。慌ただしく昼食を済ませ、12時過ぎに上山。
 白州に入ると、舞楽台と大太鼓が迎えてくれた。特設の売店や郵便局の出張ブースもあり、いつもとは異なる賑わいを見せている。全国から集まった門徒の着けている色とりどりの略肩衣や襷が、華やかな雰囲気に更に彩りを加えている。
 逮夜法要は13時より2時間。法要次第は以下の通り。

 東北地方太平洋沖地震災害「被災者支援」
 宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要


 5月26日(木) 逮夜 13:00-14:50
 
 真宗宗歌
 門首のことば
 内局挨拶
 感話
 法話
 勤行(同朋唱和)
  正信偈 真四句目下
  念仏讃 淘五
  和讃 五十六億七千萬 次第六首
  五遍反
  回向 願以此功徳
 災害救援本部からの報告
 決意表明
 恩徳讃

 ご門首のことば、内局の挨拶、災害救援本部の報告、宗門の決意表明と、このたびの御遠忌法要を「被災者支援」と位置づけたことを形だけにしない高いメッセージ性のあるものだった。その一方で、いただいた法話にモヤモヤし、お勤めの調子に乗りきれぬことに不完全燃焼の思いを抱く私。やっかいなものである。
 法要後はバスで宿舎に移動。バスに乗る前、お目にかかったことのある若い僧侶の方たちが近付いてきては挨拶してくださり、照れくさくありがたく申し訳ない。
 宿舎は宝ヶ池の立派なホテル。部屋も広く豪華でなんとももったいない感じだ。夕食会の席に着き、食事の前、17時過ぎより作家・青木新門先生の講話をいただく。たっぷり1時間45分。新門さんのお話は何度もうかがっているが、そのたびに新鮮である。今回も新しい気付きをいただいた。
 市街地を離れたこの地に宿を取ったことの意味は大きい。長い夜をゆっくりと飲みつ語りつ過ごすことができた。座談の輪を囲んだお寺もあったとのこと。聞く。語る。真宗の伝統を駅伝の襷のようにつないでゆく。