生きるということの実相を思う

 年越しのテレビはうれしいことの連続。テレビ東京の「第42回年忘れにっぽんの歌」では「私が生まれて育ったところ」を歌う野路由紀子さんを数十年ぶりに見る。NHKの「第60回紅白歌合戦」では、いきものがかりの「YELL」のステージに松戸市立第一中学校合唱部と春日部市立豊春中学校混声合唱団が出演。同じく、ラジオの放送席を紹介するコーナーでは大学卒業同期の杉浦隆アナを発見する。15回目を迎えたテレビ東京の「東急ジルベスターコンサート2009-2010」では、大友直人氏が指揮する東京フィルハーモニー交響楽団がホルストの組曲『惑星』Op.32より「木星」をカウントダウン演奏。零時ちょうどに見事に演奏を終え、テレビの前で思わずガッツポーズ。テレビ朝日の「感動新年ニッポン百景富士山上空 あけまして列島各地でおめでとう」では、振袖姿の松尾由美子アナにクラクラ。
 7時より所属寺で修正会。当地の日の出は6時50分だから、まさに夜明けとともに始まる今年最初の法要である。朱の打敷もお供え餅も、金色もきらびやかな内陣に更に華やかさを添えている。同朋奉讃式でお勤めのあとはお屠蘇でお祝い。お正月のお寺の本堂でこんなに晴れがましい行事が営まれていることを、この世の多くの人々は知らないのだろう。それは、この世界に出遇う前の私自身の姿であった。住職の法話では、いまわの床にあって「おかみそり」を受けたという人の生き方に触れ、自分のありようをまた照らされる思いがした。死にきちんと向き合うことこそが、生きるということの実相である。法に触れ教えに生きる人々とともに、私もまた歩みを続けるひとりでありたいと思う。