ブログ二題は広島二題
敬愛する二人の同学氏の今日付のブログに心動かされた。コメントを書き込む代わりにここに記しておきたい。
まずはU氏。NHKの広島放送局は、同局が放送を開始した1928年にラジオの英語講座を始めており、今回、そのテキストを入手したとのこと。この種の資料は本当に貴重なもの。それを古書店で見つけU氏に教えてくれたという先輩の話も、なんともありがたいものだと思う。地域・郷土の歴史やその交流の歴史と英語教育の歴史とを有機的に結合させようと着々と調査・研究を進めている姿勢に敬服する。
広島放送局はJOFKだったか。以前、学会の月例会でJOBKの英語講座に関する発表があったとき、NHK各局のコールサインについて月報に寄稿した覚えがあるが、これはなかなかおもしろいものだ。早期に開局した数局について並べてみると、以下のようになる。
- JOAK 東京
- JOBK 大阪
- JOCK 名古屋
- JODK 京城
- JOEK 欠番
- JOFK 広島
- JOGK 熊本
- JOHK 仙台
- JOIK 札幌
- JOJK 金沢
欠番となっているJOEKは台北局に割り当てられるはずだったとの話を聞いたこともあるが、定かではない。この順番は必ずしも都市の重要度を表すものではないのだが、広島の位置がたいへん高いということも思わずにいられない。
おっと、ブログの話だった。E氏は鞆の浦の埋め立て工事を差し止める判決が広島地裁で出されたことを取り上げている。これだけ広島に行っていて福山だって何度か訪ねているというのに、鞆の浦は私にとってはまだ遠いところ。以前から埋め立てと架橋の計画があると聞き気になってはいたのだが、E氏のブログのおかげで大きな情報を得ることができた。明日のマスメディアでの扱いが気になるところ。
歴史的景観の保護と地域の開発。あまりに大きな問題で、その地に住まない者にはなかなか発言しづらいところがあるのも事実だが、鞆の浦の景観を「国民の財産ともいうべき公益」と認めたという判決内容に司法の画期的な判断を感じた。保護と開発を両立させる道、守りながらも開くという知恵がきっとある。そういう新しい地平に進み出ることを期待したい。