狂気を演じられるのは知性である

 1年間授業を担当したくらいで教師面するつもりなど微塵もないのだが、あれだけの人混みのなかで私を見つけてもらえるとは、いくら下話があったと言ってもまったく教師冥利につきるというものだ。J-WAVE の GROOVE LINE、SHIBUYA HMV STUDIO での公開生放送は今日が最後。それを見に行った私を2年前に授業を受け持たせてもらった konoriko さんが見つけてくれて、再会を果たしたという話。どうもありがとう。
 いや、とにかくすごい人だった。仕事を終え、渋谷HMVの2階にあるスタジオに着いたのは17時半を少し過ぎたくらいだったが、その時にはすでにスタジオの反対側の窓の方まで人垣ができてしまっていた。その後も次々に人が集まって来るので少しずつ前に詰めて行ったのだが、ついには売り場を埋め尽くしてしまい、19時を過ぎた頃には入場制限がかかってしまったほど。2階の営業はほぼ停止状態だった。
 後ろの方や、L字型に曲がった売り場の曲った辺りにいたのでは、いくら背伸びをしたってスタジオの様子などまったく見えないのだが、そのフォローとばかり、ピストンさんが後ろの方まで何度も来てくれた。一度などは J-WAVE の社長さんとともに。ピス兄を見てうれしいかと言われるとちょっと困ってしまうが、シールも手渡しでいただいた次第。番組終了後は、ピストンさんと秀島さんの握手で送り出してもらうというおまけつき。ピス兄に握手してもらってうれしいかと言われると…、まあいいか。ありがたいファンサービスだった。
 感心したのは集まった人たちの行儀の良さ。ピストンさんに煽られてワーワーやってもいるのだけれど、その一方で譲り合い助け合い、係の指示にもきちんと従い、実に立派な人たちだった。ピストンさん自身、ばかばかしいことを話していても、育ちの良さや滲み出る知性を隠せないところがある。あのパーソナリティにこのファンたちがついたからこそ、この番組が J-WAVE の中にあって見事に成立しているのだと確信した。
 狂気を演じられるのは知性である。これは山城新伍のことばだったか。明日からこの番組はどうなるのだろう。私たちの想像をはるかに超えた新しい何かが、知性に裏打ちされた新たな狂気が、私たちを待ち受けていることを期待したい。