最後の番組

 今日は上野原で補講を4コマ。帰りの中央道は小仏トンネルで11キロの渋滞。2時間半をかけての帰宅となった。
 帰って、ネットでやっと見つけた。ステーションコールの法的根拠であるところの「無線局運用規則」である。

第百三十八条 放送局は、放送の開始及び終了に際しては、自局の呼出符号又は呼出名称(国際放送を行う放送局にあつては、周波数及び送信方向を、テレビジョン放送を行う放送局にあつては、呼出符号又は呼出名称を表す文字による視覚の手段を併せて)を放送しなければならない。ただし、これを放送することが困難であるか又は不合理である放送局であつて、別に告示するものについては、この限りでない。
 昭和二十五年十一月三十日電波監理委員会規則第十七号
 最終改正:平成二十三年五月二十五日総務省令第五一号

 昨日の午後11時50分頃から12時ちょうどにかけて、全国で多くのテレビ局が最後のステーションコールをしたようだ。当の放送局自身が正午をもって番組の放送を終えたと言っているし、それ以降の地デジ移行のお知らせを番組と呼ぶには無理があるとは思っていたのだが、停波直前のステーションコールを「最後の番組」もしくはそれに準ずるものと位置づけて大切に扱った放送人のいたことを知って少しうれしくなった。
 東京では、日本テレビがいわゆる「鳩の休日」の1972年版を流し、最後に「58年間 ありがとうございました」のメッセージを添えた。他の在京民放局が通常のクロージングを流すだけだったのと比較し、特筆されるべきことだろう。TBSテレビには「ガラス棒」を期待したが、すでに分社化の際にテレビのコールサインはJOKR-TVからJORX-TVに変わってしまっているので無理だったか。テレビ朝日には1977年当時の「わが家の友だち10チャンネル」の歌を流してもらいたかったのだが、残念ながらかなわず。
 大阪では、MBS、ABC、YTV、KTVと、いずれもオリジナルのクロージングを放送した。ABCは大阪テレビ(OTV, JOBK-TV)時代の写真を映し、KTVは京都・神戸・大阪の3都市のライブ映像を放映。YouTube で見て、少しホロリとしてしまう。名古屋では、CBCとメーテレが通常のクロージングにメッセージを添えたもの。中京テレビと東海テレビはオリジナルだったか。福岡では、RKBもKBCもオリジナル。RKBは福岡の社会・風俗を振り返る映像集で、その中で久しぶりに奥田八二さんの顔を見た。その他、各地の様子はそのうち動画投稿サイトに上がることだろう。
 アナログ波の放送を「標準テレビ放送」と呼んだのは千葉テレビ。アナログ放送の「終了」ではなく「停波」と言ったのはテレビ埼玉。深い意味はないのだろうが、いくらか心に引っかかるものがあった。
 NHKは、全国の放送局がいっさいステーションコールをすることなくアナログ波の送信を終えたようだ。これは「放送局は、放送の開始及び終了に際しては、自局の呼出符号又は呼出名称(中略)を放送しなければならない」と定めた「無線局運用規則」に明らかに違反しているものと思われる。