歴史に学ぶ

 統一地方選の結果を受けて考える。政権与党がどうこうということではない。東京の中央区において「復興小学校」はいよいよ守ることができないのだろうかということだ。
 一般の意識として、遺跡や城や歴史的街並みなどは割に残そうとするのだが、大正の終わりとか昭和の初めの建物となると、これを歴史の一部もしくは歴史を伝えるものとはとらえようとしない傾向があるように思う。経営者を戦国武将にたとえたり、政局を三国志の時代に重ねたりするのは大好きでも、ここ100年の歴史にはまるで興味がないという人も多いようだ。
 復興小学校は、特に思い入れのない人にとってはただの古くさい建物にすぎないのだろうか。今回は特に震災の影響もあって古い建物を不安に思う人も多かったのかも知れないが、ものごとを正しく見るならばそれこそ「風評被害」だ。本当に恐いのは中途半端に新しい建物の方であり、問題とすべきは建造物の耐震診断における経年指標の算出法なのだが、このことはなかなかうまく伝わらない。