口八丁手八丁

 千住で3コマ。教室の入口にある出席管理システムが不調で、私は授業をしていないことになっているものだから、学生がカードをかざしても受け付けてもらえない。先週のうちに不調を訴えておいたのだが直っていないようだ。教務の担当者に確かめてもらったところ、マスター上の登録はできているようなので、ちょっとしたミステリーだ。
 週に1度のバス通勤なので、授業のあとは都バスの一日乗車券を使って意識的にブラブラすることにしている。そして、今日も夕刻には赤門寺の裏へ。藤やはカウンターの中にいるのがご主人かおかみさんかで店の雰囲気がまるで違うのだが、今日はおかみさんの日で、だからというわけでもないのだろうがお客さんも多かった。
 スジ、フワ、ハチノス、ハツモト、ナンコツに玉子。飾り職人だった先代が「道楽」で始め研究と改良を重ねたという煮込みは、東京には珍しく八丁味噌を使っているのが特徴だ。2種類の味噌を合わせて使っているそうだが、今日はその両方を味見させてもらうことができた。色と味から判断すると、どうやら1つは「赤だし」らしい。炊いて炊いて、風味を失うどころかむしろ増すのだから、八丁味噌というのは実に強いものなのだと思う。