失効記念日

 Non No No Non と阿久悠先生の名作を思い出しながら、今日は私の失効記念日ですなどと口にしてみる。財産権の侵害と集団訴訟を起こす動きもないようなので、ひとり裁判で争ってもよいのだが、とりあえずは先立つものがない。
 こういうくだらない制度は、そもそもがくだらないだけに、最初の人たちが気の毒だなどというくだらない理由付けで10年間は続くのだろう。つまり、一回りはさせて「不平等感」を解消させようとするわけだ。
 今回失効してもあなたが大学時代に単位を取得した事実は消えるものではないと聞かされたけれど、そんなことは当たり前だ。取り立てて言うこと自体が間違っている。大学時代の単位まで取り消されたら、悪いけど暴れるぞ。
 思えば、あれだけ一所懸命になって手に入れたものを、今こうしてやすやすと手放そうとしている。私も、私を取り巻く状況も、大きく変わってしまってはいるのだ。さあ、あと1時間。静かにその瞬間を迎えよう。