Schliemann

 夏の恒例行事。それは片付けもの。片付けようとすればするほど、書類の嵩が増えて収拾がつかなくなる。そのうえ、うっかり懐かしい物を発掘しては読み始めてしまったりするものだから、まことに始末が悪い。
 今日は「第1期事業」の半分を終えた。最後の紙くずを拾い上げたところで家の者が帰ってくるとは、まるではかったようなタイミングだった。


***
 お盆の休みが明け、明石小学校の校舎解体問題には動きが出始めている模様。私の署名も中央区に届けてもらえたようだ。
 思えば、この校舎は「中央区」などというものが生まれる前から建っていた。それを現在の行政の思惑だけで壊してしまおうという考えそのものがいかがわしいのではないか。復興小学校には標準的なプランニングがあったようだが、各地域で人々がお金を出し合って内装や設備に「上乗せ」をしたのだという。この町のにぎわい、この町の豊かさ、そしてこの町の人々の心意気といったものが、優れた校舎を完成させたという事実を思い起こしたい。
 明石小学校は聖路加病院の隣にある。太平洋戦争のとき、アメリカ軍はこの病院を燃やさないようにしたというのは有名な話だが、そのために明石小学校の校舎は戦禍を免れることができた。つまりは、この校舎は関東大震災とともに太平洋戦争の「記念碑」でもあるのである。
 これであきらめるわけにはいかない。まだまだ私にもできることがあるはずだ。