雨天決行

 嫌になるぐらい晴天が続いたというのに、花火の日に限って降るのだからまったく嫌になる。上野原の出講先の先生たちとその大学の千住キャンパスでの見物を約束していたのだが、4時前に電話連絡があり、残念ながら今年は見送ることに。
 今日は「足立の花火」の日。打ち上げ開始は7時半だったが、6時過ぎにはすっかり雨も上がった。ただ、出かけるのを一度あきらめてしまうとあらためて支度するのもおっくうなもので、窓の外の音を聞きながらケーブルテレビで見ることにした。やや風が強かったものの、おかげで煙がうまく流され、夜空にくっきりと映るさまを楽しむことができた。
 こんなにのんびりとした気分で見るのも久しぶりだと思ったのだが、よくよく考えてみれば、7月29日というのは足立の花火にとってもっとも遅い日程なのだ。それは、この花火が7月の最終土曜日の前々日である木曜日に開催するものと決まっているから。
 かつては「千住の花火」と呼ばれたこの花火、1979年に再開されて今年で32回目となる。テレビでは、その千住の町の一角で、ちょうどこの花火が再開された頃からずっと部屋に閉じこもって「ミイラ」になっていたという人のニュースが。亡くなった人と30年間に渡って一つ屋根の下で暮らしていたという家族の思いとは、いったいどのようなものだったのだろう。
 一方では、新しい家族の誕生をお披露目するという晴れがましい話題もあり、仏前で式を挙げたとのニュースを興味深く見た。お幸せに水を差すつもりはまったくないし、心からお祝い申し上げるのだけれど、誰か麻央さんにお念珠の持ち方や提げ方を教えてあげられる人はいなかったのだろうか。縁もゆかりもない者がまったく失礼だとは思うけれど、そのことだけがちょっと残念。