ウソのようなホントの話

 夕方のこと。かかってきた電話に出た姪が、相手と少し話したあと「おもしろいから代わってごらん」と言って受話器を渡そうとする。私から電話がかかってきたのだと言う。ここにいる私から?
 それは、おもしろそうだ。粗忽長屋じゃあるまいし、自分と話ができるとはめったにない経験。おっと、粗忽長屋じゃ自分が死んでるんだったか。
 電話の主は「学校」の友だちなのだそうだ。卒業アルバムを見ていたら懐かしくなり、それでかけてみたとのことなのだが「どこの学校?」とたずねたら「死ね、ばか」と言って切られてしまった。自分に死ねと言われるなんて、粗忽長屋を超えるシュールさだよ。
 なんたって、通ったり勤めたりで16の学校に関わってきてしまったもので、ただ「学校」と言われても困るんだわ。かけた相手が悪かったということかしらね。