ブラスのひびき

 朝、成績表を提出に生田へ。帰り道、クルマの中で聞いたラジオに「なぎさブラスゾリステン」という金管アンサンブルのメンバーが出演していた。今日までその存在を知らなかったのだが、このアンサンブルは、2005年に神奈川県逗子市に「なぎさホール」という施設が開館したとき、それを記念して結成されたもので、日本を代表する金管楽器の奏者10人と打楽器の奏者1人で編成されている。名前の「ゾリステン」とは「ソリスト(ドイツ語ならばゾリストか)」の複数形だそうで、あとでメンバーを調べてみると、なるほど優れた演奏家たちの集合体である。
 今日は11人のメンバーのうち、トランペットの神代修氏、ホルンの阿部麿氏、トロンボーンの池上亘氏が出演。昨年の秋に発売されたCDから2曲と、スタジオでの生演奏1曲が放送された。久しぶりに聴くブラスのひびきは実に華やか。CDの音源は「なぎさホール」での録音だろうか、ライブ感もたっぷりだ。カーオーディオを、ネット・オークションの世話になってAMステレオ対応のものにしておいてよかった。
 そう言えばこの私、高校時代に1年間だけ吹奏楽部に所属していたとき、東京都高等学校文化連盟主催の「中音」と呼ばれていた音楽会で、第5学区の楽団の一員として上野の東京文化会館のあの大きな舞台に上がったことがある。ずいぶん緊張もしたけれど、オーマンディやカラヤンやバーンスタインなどと同じ舞台に立っているんだと思ったらものすごくうれしかった。美しい演奏を聴いていたら、そのときのことが思い出されてきた。
 今日のラジオでは、トロンボーンの池上亘氏が小さい頃にテレビで見たボンサイトさんに憧れたという話をしていた。お浄土に還られてもう何年になるだろう。トロンボーンの特徴を活かした型破りなパフォーマンスを見せる芸人さんだった。私も憧れた。でも、演奏家にはならなかったし、なれなかった。