AMステレオの名機

 昨日、西の方にある懐かしい町で、懐かしい古道具屋を訪ねた。
 ここでは、ずいぶん前に「ニッポン放送対応防災ラジオ MHS-1242T」というレアなラジオを相当に安く買ったことがある。これは緊急警報放送に対応した受信機で、地震の警戒宣言や津波の警報が発表された際には、自動的にスイッチが入って放送を聞かせてくれるのだ。このラジオがこれまでに一度も活躍したことがないことは、まったくの幸いである。
 その店で、昨日も珍しいラジオを見つけた。SRF-M100。ソニーがAMステレオ放送に対応する最初の製品として1992年に発売したものである。もう18年になるのか。当時は欲しかったけれど手が出なかったことだけを記憶している*1。インターネットの某オークションにAMステレオ放送の対応機が出品されるとアラートをメールで届けてもらえるように設定してあるのだが、それを受けて追跡してみると、最近では、音が出ないというレベルのジャンク品でも2,000円くらい、完動品で美品だと5,000円を軽く超える落札結果になっていた。
 そのラジオが奥のショーケースの中にあったのだ。ちょっと見たところではかなりの美品。しかも驚くほど安い。ネットオークションに入札したとしても、あっという間に負けてしまうような額なのだ。でも、ラジオなんて何台もいらないだろう。一台あればじゅうぶん。そうそう、確かにそうなんだ。でも。
 さんざん迷ったあげく、ちょっとだけ手に取って見せてもらうことに。すると、筐体にはキズ一つなく、液晶もまったく問題なし。ロッドアンテナは完全に伸び、折れても曲がってもいない。スイッチを入れてもガリはなし。電池ケースを開けて電池を取り出してみたが、液漏れの跡もまったくなし。これは新品か。
 で、値札よりもさらにちょっとだけまけてもらって購入。まあ、手に取った段階ですでに「負けて」いたんだけどね。はいはい、そうです。私はダメな人ですよ。

*1:調べてみると、当時の定価は14,800円だったようだ。