久々に、学校建造物のありようを考える

 自分の身の振り方のことを考えると、今日は北国の町に駆け付けるという選択肢もあったのだが、結局は西の方にある懐かしい町を訪ねた。今日訪れた学校には、私の記憶とはまったく異なる真新しい校舎が建っていた。
 教員室に案内されてびっくり。これは私が夢に見ていた教員室そのものではないか。
 建築のことはまるでわからないのだが、教員の目線でごく簡単なことを言えば、中学校や高等学校の教員には3つの座席が必要なのである。それはつまり、教科・学年・分掌。人によっては、部活の指導のための座席を求めることもあるかも知れない。
 今日訪れた教員室は校舎の2階と3階があてられており、一部は吹き抜けになっている。いや、基本は吹き抜けで一部が2層になっていると言った方がよいか。イメージとしては体育館ほどの広さがあった。そこに、教科・学年・分掌のスペースが、一部はしっかりとした壁で、一部は低いパーティションで仕切られており、書庫等を除いては境目にドアはまったくないのである。
 すべての教員が一同に会することができる一方で、教科・学年・分掌の独立性も担保されている。かつて存在していた教科ごとの「研究室」や分掌ごとの「部室」を否定しながら、実に斬新で合理的な空間を実現したのである。私が渡辺篤史であったなら、何度「ほほう」「すばらしい」と言ったことだろう。
 私はこんな教員室を夢に見ていた。心得のある人の力を借りて、きちんと図面を引いておけばよかったよ。でも、実際の使い勝手はどうなのだろう。ここをたびたび訪れることがあるならば、本当のところを聞いてみたいと思う。