仏壇の占める位置

 テレビの『大改造!!劇的ビフォーアフター』で、リフォームされた家に、かつてあったお仏壇がきちんと収まっているとホッとする。先日の所属寺での読書会のときにも言ったことだが、ときどき新しくなった家から立派なお仏壇がいつの間にか姿を消していることがあるのだ。その意味で、今日の放送はちょっと安心した。
 もちろん、お仏壇は箱としての立派さを競うものではないし、置いてあればよいというものでもない。お内仏としてどなたを安置しお荘厳し、どのようなお給仕をしお参りをするかこそが問われている。しかし、位牌壇と成り下がってしまった箱すらもが家の中に占める位置を失ってしまっている事実に愕然としてしまうし、造作もなくそれに手を貸す現代の知性というものに大きな疑問を抱かざるを得ないのである。
 そんなことを言いながら、巨大な三方開きの金仏壇をあつらえてみたいなどという方向性を間違えた物欲に苦しんだりもする。ものすごいのになると、コーンズに出かけてフェラーリF430スパイダーとベントレーARNAGEをセットで買い、ついでにどこかのブルーライオンに寄って207・308・407あたりを詰め合わせにして買って帰れるくらいの値段になるわけだが、そもそも、そんなものを置く家が持てるのかということの方が問題ではあるな。
 いやいや、置く場所に困るのはクルマではなく仏壇の話。それはそれは巨大な仏壇なのである。家より高い金仏壇、持つことはあきらめるとしても一度くらいはお目にかかってみたい。