蕎麦の実は蕎麦に、小豆は汁粉に

 蕎麦好きのSs君と久しぶりに会うことになり、練馬区中村の「玄蕎麦 野中」へ。ご主人は、先頃閉店してしまった豊玉の田中屋で修行された方と聞いている。開店当時は「田中屋」を名乗っていたが、しばらくして現在の名前に変わった。
 初めて訪れたのはこの近くに勤めていた頃だった。同僚の一人がまだ開店したばかりのこの店を教えてくれたのだが、そのついでに「かけそばというものがあんなにおいしいものだとは思わなかった」と言ったのだ。そのことばに促され、せいろの他にめったに食べないかけそばも試してみたのだが、私もその同僚とまったく同じ感想を持ったことをよく覚えている。
 以来、何度も訪れることとなったが、その度に、きちんとしているが気負いのない良い店だと思う。味といい量といい価格といい、いろいろな意味で納得できるのである。余計な世話だが、A区のKやK区のYなどには見習ってもらえたらと思うところがたくさんある。
 Ss君からは新しい仕事のことをたくさん聞かせてもらった。寄り道や回り道の末に見つけた道だから、夢のかなうことを願わずにいられない。私もがんばらないと。