締めた左肩から右に流れるのがレジメンタル

 久しぶりのオフということで片付けものに精を出していると、懐かしいネクタイの数々が箱から出てきた。レジメンタル=ストライプとクラブ=ストライプばかり、30本ほどあったろうか。
 紺とえんじの GEORGE KENT は高校を卒業するときに初めて買ってもらったもので、紺とグレーの HISHIYA(菱屋)は教育実習のときに着けていたものだ。実に説明しづらい緑色とやはり説明不能の褐色の取り合わせというクラブ=ストライプは、初めて英国を旅行したときに SCOTCH HOUSE で買い求めたもの。MARUZEN(丸善)のネームの入った珍しいネクタイは、店員さんが僕の気に入りそうなものを次々に出してくれるので3本買ってしまったうちの1本だ。そのほか、Aquascutum、BURBERRY、DAKS、dunhill、J.PRESS、Ralph Laurenと、見事に偏ったブランド名の数々を眺めてみれば、なかなかによいネクタイを持っていたものだと思う。
 今や3本1,000円の品や100円ショップの商品にお世話になっている身としては、その頃のことが懐かしくもある。けれど、もはや18歳の自分にも22歳の自分にも戻ることはできないと思えば、わずかばかりの覚悟も定まろうかというもの。少しブルーになりながら、擦り切れてボロボロになってしまった懐かしいネクタイをすべて捨ててしまうことにしたのだった。