安東君と安東駅で待ち合わせ

 土曜日の研究例会が開催されたのは安田女子大学だったが、その最寄り駅はアストラムラインの安東である。この駅の名を「やすひがし」と正しく読める県外の人は少ないのではないだろうか。まあ、私も「県外の人」ではあるのだが、うっかり正確に読んでしまったりして、その意味では「例外の人」でもある。
 広島市の安佐南区には、上安(かみやす)、上安町(かみやすちょう)、安東(やすひがし)と、「安」のつく町名が3つある。ちなみに、アストラムラインでは安東の隣の駅は上安だ。もともと「安」というのはこのあたり古くからの地名で、上安という名前の村は戦国時代にはすでにあったとのこと。それ以前には「安」という集落があり、上下に分離したものと推定されるそうだ。一方、安東は1984年に生まれた比較的新しい町名であると聞いている。
 同じ安佐南区の区域には、伴北(ともきた)、伴西(ともにし)、伴東(ともひがし)、伴南(ともみなみ)という町名の元になった「伴(とも)」という集落もあったが、「安」や「伴」のように抽象的な漢字1文字で表される町の名前を珍しいと思うのは私だけだろうか。東区には曙(あけぼの)、南区には旭(あさひ)、霞(かすみ)、翠(みどり)、西区には扇(おおぎ)と、1文字の町名は広島市内にもいくつかあるが、抽象度がまるで違うと思う。
 もっとも、地名に用いられる漢字というのはいわゆる「当て字」であることも多いので、その点は十分に注意しなければならないのだが、時間があれば調べてみたいと思う。どういうわけだか、広島へ行くたびに地名に関わる宿題を(勝手に)抱えて帰ってくるこの頃だ。