ゴカイです

 最近のエレベータは優れていて、各階に着くごとに「2階です。」とか「3階です。」などと音声で教えてくれるものが増えている。ときには、日本語のあとに "Second floor." とか "Third floor." と言って英語でも教えてくれるものに乗ることもある。そんな「バイリンガルな」エレベータに乗るたびに、私は密かに期待してしまう。5階に着いたとき、「5階です。」のあとに "Misunderstanding." と言うようなしかけをしてくれている技術者はいないものかと。
 同じことを考えている人は、きっとどこかにいるはずだと思う。ずいぶん前のことだが、「落語家になりたいと思っていたら、気がついたら(人生の)落伍者になってました」などとふざけていたら、高田文夫氏の真似だと言われて憤慨したことがある。高田氏よりは年少だが、真似をしようとは思わない。だいたい、彼の話を聞いたり書いたものを読んだりした記憶がない。真似というのはまさに誤解なのである。だじゃれの同時発生説とでも呼んでもらおうか。もはや世界の文明と同じレベルの話である。