憧れに似たもの

 帰宅するとすぐに始まった夕方の報道番組のトップニュースは頼近美津子さんの訃報だった。先日、お名前をここに記したばかりだったし、全国大会の前日にT先生とご一緒したとき、話の中にお名前が出てきたばかりでもあったので、たいへん驚いた。
 頼近さんが広島のご出身だということは、そのときにT先生からうかがったのだった。お父さまは日系アメリカ人の二世で、ABCCにお勤めだったとのこと。ご本人はアカシア会の会員だそうで、つまりはU先生の高校の先輩で、大学では私の先輩に当たるわけだ。世代も違うし、お目にかかったことなどはもちろんないのだが、思えば、憧れに似たものを抱いていたとも言えるのだろう。
 どんな人もひとり残らず亡くなってしまうという厳然とした事実の前にことばを失う。でたらめの限りを尽くして生きている自分の姿を思う。合掌。