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 昼から荻窪で家庭教師。4か月ぶりに頼まれて出かけた。少し早めに着いたので荻窪の街をブラブラしていたら、所属学会の会長と同じ名前の古本屋を見つけた。これは立ち寄らぬわけにはいくまい。
 まず、店頭のワゴンから丸木政臣と池田弥三郎を一冊ずつ。丸木政臣とは懐かしい。60年代・70年代の教育論を読むと、データや公式記録だけではわからない、その時代のムードが伝わってくるのを感じる。ものを考えたり書いたりするときには、そういうものが大きな意味を持つこともあるのである。店内で『福原麟太郎著作集』全12巻を見つけ、値段を聞けば55,000円とのこと。確かに美本ではあったが、ちょっと高いか。
 2時間の勉強のあとは地下鉄を乗り継いで青山へ。友人のK氏と、アナウンサーたちによる朗読劇を見る。たっぷりの2時間半。おもしろかったし、話すことを生業とする人々の迫力も大いに感じられて心地よくもあった。ただ、今回はアナウンサーという職業そのものがテーマとあって、楽屋落ちに終始してしまうのは仕方のないところだったろうか。
 個人的には、客席に棟方宏一氏と小林(旧姓:古梶)一枝氏という往年(と言ったら失礼か)の名アナウンサーの姿をお見かけし、大概の人には理解できないであろう昂揚感を覚えた。これで山口容子氏にお目にかかれたら、ちょっとどうなっていたことか。僕は昔からテレビが大好きだったんだ。この3人の名前でどこの局の話か分かった人がいたらすごいぞ。