120分の5の存在に光が当たるとき

 渋谷の女子校に勤めていたとき以来の友人であるK先生と北千住。立ち呑みの「徳多和良」、串煮込みの「藤や」、それにバー「レイトリー」。まさにこの街のゴールデンルートである。
 勤めていた渋谷の女子校の120周年記念誌その他をいただく。編集主幹の労をとられた(もうひとりの)K先生が、私がかつて学会で発表したときの資料の一部をそのまま再録してくださった。この学校では、英国人のトロット先生とおっしゃる方が手本を示された独特の英語の書体を指導していたが、それを守ろうという青臭い主張である。
 本人も忘れかけていた発表資料に新しい光をあててくださったK先生に、心からの感謝を捧げたい。私がこの学園に職を奉じたのは5年に過ぎないが、その短い時間がわずかでも意味を持っていたことを確かめた夜であった。