みずみずしいことば

 うちの学生はできが悪いとか、こんなことも知らないのがいたとか、そういうことを言うのがセンセイ方のお仕事なのかしら。愛想笑いをしながら聞いているのも、くたびれてしまうようになった。
 まあ、確かに不真面目な学生もいないわけではないけれど、一所懸命に書いた映画の感想文などを読んでいると、感性のみずみずしさに心の動かされる思いがする。誤字も、あやしい言い回しも、数え切れないほどあるのだけれど、身体のすべてを使って感じ取ったものの数々は、小賢しく頭だけでひねり出したことばに比べて幾倍も輝いて見える。
 僕の目標設定が低いのか。いやいや、学習者に寄り添う姿勢のあらわれだと言ってくれ。違うかぁ。