事務局長のもやもや

 国立での2コマを終え、東京・一ツ橋の学術総合センター(一橋記念講堂)まで「国立情報学研究所(NII)と科学技術振興機構(JST)の学術雑誌電子化関連事業の連携・協力についての合同説明会」を聞きに。
 学会誌の電子化はもう避けて通れないことだとは思う。だが、著作権の問題はクリアできるとしても、私たちのような小さな会の場合、会員数を維持・拡大して会費収入を安定させるということも大切な問題なのであって、そうすると公開のタイミングや課金の方法などが最大の課題になってくるだろう。私たちの会では、多くの会員は、成果の発表について一刻一秒を争うような内容の研究はしていないわけだから、調査・研究の積み重ねが電子的にアーカイブ化され、これを多くの研究者や学生・院生のみなさんに利用していただけるようになるのは、むしろ歓迎すべきことである。しかし、これまで学会誌のバックナンバーを販売してきた経緯とどのように兼ね合いを持たせていくか、ここも課題となってしまうわけだ。まあ、いずれも、決して高額とはいえない金の問題だから、解決するのはそんなに難しいことではないかも知れない。
 おそらくは私たちの何十倍、何百倍といった規模の、場合によっては事務局のビルもお持ちの会からお越しになったであろう何十人もの自然科学系の方々に囲まれながら、もやもやと小さな会のことを考えていた。