ダイヤモンドクロスの街から

 昨日、鉄道仲間である僧侶のT氏と聞法会後の懇親会で会ったが、わざわざ珍しいCDを持って来てくれた。『伊豫鉄道唱歌』とある。昨夜は帰りも遅かったので聴くことができなかったが、今日、このパソコンで再生してみた。

 名も常磐なる松山の 市街を中に取り巻きて
 葛の如く縦横に 蔓さし延ばす伊豫鉄道

 1908(明治41)年に、松山の伊予鉄道が創業20周年を記念して発表した歌だそうである*1。有名な「鉄道唱歌」の作詞者である大和田建樹が宇和島出身という縁で作ったものだとのこと。歌の感じは「浦島太郎」とか「金太郎」という感じなので「もしや」と思ったら、案の定、田村虎蔵*2の手になるものであった。
 いい歌である。鉄道が大きな力を持っていた時代の風を感じることができる。100年も前の歌が、今もそのいのちをいきいきと輝かせていることに感動すら覚える。T氏は山陰地方に法話に行く途中、これを買うために白杖を手に松山に寄ったのだとのこと。その価値はじゅうぶんにあると思うが、ウェブ上の「伊予鉄道博物館」で聴くこともできる*3
 ダイヤモンドクロスのある街。広島での月例会の折にでもまた訪ねてみることにしよう。

*1:伊予鉄道の創業は1887(明治20)年。

*2:母校・都立上野高等学校の校歌を作曲してくださった方である。

*3:http://www.islands.ne.jp/iyotetsu/rail/museum/music/shoka/index.html