演劇青年の面影

 夕方から大学以来の友人K君と東京芸術劇場。演劇青年だったK君は現在は出版社に勤めているが、年に何回か芝居に誘ってくれる。おかげで僕もずいぶん見るようになった。
 今日の公演は『空中ブランコ』。そう大きくない舞台がものすごく大きく見え、どこを見て何に感情を投じてよいのか悩む。舞台上のオロオロした感じが伝わってくるのだ。休憩時間になると、K君が「まだ出来上がってないね」と一言。なるほど、同じようなことを感じていたわけだ。公演開始3日目とのことだったが、そんなこともあるのか。まあ、ある意味貴重な体験ではあった。筋そのものはおもしろいし、見せるところも聞かせるところもあったのだが。
 夜はK君の芝居仲間であるK氏が経営する大塚の店へ。政治を熱く語るK氏。久しぶりに議論する人に出会った思いがした。僕自身、少しも絡むことができなかったが、楽しくはあった。