川のことだが、他山の石にせねば

 日曜日の晩は日本テレビ系の『ザ!鉄腕!DASH!!』を見ることが多いが、今日の「大都会で江戸時代の豪華弁当つくれるか!?」という企画はおもしろかった。江戸時代の古文書に記されている食材を今の東京近県に探し求め、それを材料に豪華な弁当を作ろうというプロジェクトである*1
 驚いたのは、浅草近くの隅田川でしじみが捕れたこと。高度経済成長の只中に生まれた自分にとって、東京の川、特に地元の綾瀬川などはドブも同然で、橋を渡るときなど本当に鼻をつまんだものだった。隅田川や荒川はそこまで汚れていなかったが、浅草の近くの川に食べられる生き物が棲んでいることなど考えたこともなかったから、しじみが捕れるさまをテレビで見て、驚きまたうれしく思った。思えば、最近は綾瀬川もだいぶきれいになっているようだったから、どの川もいのちを支える場になりつつあったわけだな。
 僕は古い人間で、今の荒川を荒川放水路と呼び、今の隅田川については千住大橋を基準に上流を荒川、下流を隅田川と呼ぶのだと小学校で教わったきり、しばらくの間それを信じていた。しかし、僕の記憶と違うことを言う人がいたので調べて見たところ、僕の生まれた頃にはすでに、岩淵水門を基準に人工河川である荒川放水路を荒川の本流とし、旧荒川のすべてを隅田川と呼ぶことになっていたのである。小学校の教師は何をしていたのか。郷土の地理くらいきちんと教えなさい。世の中には、僕のように「無駄に」記憶力のよい子どももいるのだから。

*1:番組公式サイトはこちら→ http://www.ntv.co.jp/dash/07_gotouti/15_lunchbox/index.html