ガリベン

 テレビ朝日の「勉強してきましたクイズ!ガリベン」がレギュラーになり、今日は2時間枠の初回スペシャルが放送された。出演者には事前にテーマが明かされ、収録まで2週間かけて勉強して来るという仕組みのこの番組、以前に特番で放送されたときからそのコンセプトに注目していた。何たって、豆知識やウンチクを語るとほめてもらえるというおまけ付き。芸能人だったら出てみたいなあと思うが、そもそも、芸能人になるというハードルは尋常でない高さだ。
 それはさておき、番組の途中で、出演者がどのようにして勉強して来たかが紹介される。カードを作って覚え込む人、参考書を読んでノートを整理する人、さまざまな資料を読み込む人、ひたすら紙に書きつける人とスタイルは実にさまざまだが、それぞれ真剣に勉強している様子が映し出される。
 中学生を担当していた頃、生徒たちには試験勉強の3つの段階を押さえることを力説した。それはすなわち、(1)理解すること、(2)整理すること、(3)記憶することの3段階である。ことばをやさしくして、(1)わかる、(2)まとめる、(3)おぼえると表現したこともあった。実際には、これらは必ずしも段階的なものではなく、行ったり来たりしたり同時に展開されたりすることもあるから、3要素と呼ぶべきかも知れないが、いずれにしてもなかなかうまく表現できたものだと思っている。まあ、当たり前と言えばあまりにも当たり前のことを言ったに過ぎないのだが、実際、中間試験や期末試験のあと「先生の言われた通りにやってみたらうまく行きました」などと言いに来てくれる生徒もいたりして、確信を深めたこともある。
 試験の結果が思わしくないという人は、よく点検してみると、この3要素のうちのどこかに問題を抱えていることが多い。また、これらの要素の配分が間違っているということもある。もっとも、まったく準備せずに試験に臨むという学生や生徒もいないわけではない。とまれ、テレビをおもしろおかしく見ることが、自分の勉強方法を見直す機会になってくれればよいのだが。