回文

 クルマを運転しながらTOKYO FM を聴いていたら、赤坂のTBS周辺の再開発で生まれる一帯の名前が「赤坂サカス(AKASAKA SACAS)」に決まったという話をしていた。帰宅してネットで検索してみたら、三井不動産のニュースリリースが見つかった。*1
 ここには

「Sacas(サカス)」には、「赤坂に新しい文化を咲かす」、「エリア全体に数多くある桜を咲かす」、「笑顔を咲かす」、「夢を咲かす」などの思いを込めています。

とあるが、ラジオでは、赤坂は坂の多い町なので坂の複数形の「坂s」を名前にし、AKASAKAが回文になっているので綴りもSACASと回文になるようにして遊び心を見せたという話を付け加えていた。こういう遊び心は好きだ。
 赤坂を「あかさか」と仮名で書いても回文にはならないが、ローマ字で「AKASAKA」と書けば回文になる。このことに気付かせて下さったのは、音声学の竹林滋先生だった。どんな文脈だったかは忘れてしまったが、このことだけは不思議と覚えている。
 日本語が子音と母音を分けて記述することのできる文字体系を持っているということはなかなかおもしろいことだ。ありがたいと言ってもよいし、便利だと言ってもよいだろう。小学校の先生の中には、これを用いて五段活用や上一段活用といった動詞の活用を効果的に教えている人もたくさんいると聞く。ローマ字を小学校で扱うことに否定的な人は同業の英語の先生の中に多いようだが、このことを知ると、英語教師の理屈だけで否定してしまうのもどんなものかと思う。
 にくのおおいおおのくに。竹林先生がついでに教えて下さった回文を思い出した。肉の多い大乃国。第62代横綱である。

*1:http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2007/1207/index.html