雑誌への愛

 楽しみにしていた雑誌がAmazonから届いた。さっそく梱包を解き手にしてみると、どうもしっくりしない。ごわごわした感じが手に伝わってくるのだ。
 雑誌を裏返して初めて気付いた。表紙を見る限りは美品なのだが、裏表紙の側には複数の「折れ」や「キズ」があるのだ。後半は、ページのほとんどに折れた跡が残っている。古本ならともかく、これを新品として定価で買う気にはならない。初めてAmazonの返品・交換サービスを利用することにした。
 このサービスはきちんとシステム化されており、新しいものをすぐに送ってくれるというし、特に文句はない。ただ、あんなに折れてキズのある雑誌をどうして出荷しようとしたのかには疑問が残る。世間には、何人もが立ち読みしてクタクタになってしまった雑誌を気にも留めずに買い求める人がいるようだが、そういう人が梱包の係だったということなのかしら。
 書泉グランデの6階などでは、何冊もの雑誌を次々に手に取っては顔を近付け、隅々まで穴のあくほどに検品してもっとも美しい1冊を選び出す人を見かける。そこまで神経質ではないとしても、折れやキズのあるものを好んで買いたいとは思わないな。美品が手に入ると思ってAmazonを利用したわけだしね。