時と場

 吉祥寺の授業も残すところわずかとなった。授業のあと、少し気になることがあり、教科で定期購読している『英語教育』の3月号を貸してもらって目を通す。
 うっかり目当て以外のページまで読んでしまったのがいけなかった。どうにも品のない文章に触れ、ひどく嫌な気分になる。人のことはとても言えた義理ではないのだが、いったいどんなつもりなのかと書いた人の気持ちを疑いたくなった。おそらくは筆者の入力ミスに起因するであろう誤記が放置されているところもあるし、ことばは悪いが「なめてんのか」とさえ思った。
 私だって、ここに書くものと論文とではことばづかいを調整する。ブログ同然の書きぶりというのは昨今の流行なのだろうか。それとも、くだけた表現を使うことで親しみやすさを演出しようとでもしたのだろうか。時と場を考えぬことばの使い方を見ていると、そんな人の「教える」ことばとはどのようなものなのか、気になってしかたなくなってしまう。