鯉を喰らう

 姉の誕生日。お祝いということか、家族で福島の温泉まで日帰りで行ってきたと言う。以前、ここにも書いたことのある天栄湯という鯉料理の美味しい宿だ。
 鯉の甘露煮と中華風の丸揚げ甘酢あんかけをお土産にしてくれた。うれしくなって高清水を冷やで二合ばかり。どうでもいいが、冷や酒のことを「常温」と言うのはやめてくれ。
 お金持ちの庭の池で泳ぐ鯉もいれば、料理されて食べられてしまう鯉もいて、ちょっとむなしいけれど、いったい何がこの世の幸せか。岩崎京子の『鯉のいる村』を思い出した。