KKで街録

 久しぶりに国会図書館へ。マイクロフィルム化された地方紙『河北新報』『福井新聞』『山陽新聞』を流し読む。スキャンとはこのことだ。比べるつもりはないのだが、同時期の新聞を3種も読んでいると、論調に違いのあることや奇妙に趣旨を同じくした記事のあることに気付いておもしろい。
 岡山県は教育県と呼ばれるが、『山陽新聞』を読んでいるとそのことが実感されてくる。1951年とか52年と言えば、地方紙は朝刊4ページ・夕刊2ページというのが当たり前の頃だったが、限られた紙面に毎日のように教育に関する記事が掲載されているのだ。この新聞を読んでいれば教育熱心にもなりましょうという思いがする。
 1952年2月2日の見出しには「中学生が可哀そう―進学試験制度を回ってKKで街録」とある。進学試験制度というのは現在の高校入試に相当するもので、街録とは「街頭録音」のこと。なんとも時代を感じさせることばが並んでいる。ではKKとは? これは「株式会社」ではなくJOKK、つまりNHK岡山放送局のことだ。こういうどうでもよいことを知っていると、調べものの時間がちょっとだけ短縮される。
 ところで、国会図書館が作成したマイクロフィルムのうち、比較的新しいものには、1ロールに1か所、いくつかの「・」の出現するところがある。これが画面に出てくると、ゾゾッとするのよ。ものすごく気持ち悪いのだが、これに共感してくれる人はいないだろうか。
 それから、いつかうちの会で記念品を作ることになったら、図書館に持ち込める透明のバッグにしたいと思う。HiSETのロゴを入れて、品のいいのをね。よろこんで使ってくれる人が多いと思うのだが、いかが。