予定は未定

 本日(9月2日)付『東京新聞』12版「したまち」面に、明石小学校の校舎解体問題で、中央区の文化財保護審議会の委員が区に対して要望書を提出したとの記事が載った。同紙のウェブサイトにはアップロードされないので、以下に書き置く。

明石小解体 保存を求め要望書/中央区 文化財審、異例の提言
 関東大震災を教訓に建てられた復興小学校の一つ、中央区立明石小学校の解体問題で、区文化財保護審議会の委員らが一日、区に同校の保存活用を求める要望書を提出した。同審議会は、通常、区の諮問を受けて文化財について協議するが、委員側から主体的に提言をするのは異例だ。
 要望書は委員八人のうち、区非常勤職員を除く七人が連名で提出した。明石小の優れたデザインなどを挙げ、文化財的な価値の高さを指摘。「現存する数少ない復興小のひとつとして極めて貴重。文化財的価値を損なうことなく保存・活用の措置をとることを強く要望する」とした。また、今回の問題を契機として、震災復興にかかわる区内の文化財の総合的な調査を実施するよう提言した。
 明石小の解体問題では、区が同審議会など専門家に諮らず工事を強行したことに批判が起きている。同審議会会長の小野一成・戸板女子短大名誉教授は「今回の区の対応は市民感覚からずれていた。審議会にも諮ってもらいたかった。要望書提出が後手に回ったのは残念だ」と話した。
 一方、現場では予定通りに工事が進められ、同日までに玄関のひさしなどが取り壊された。(岡村淳司)

 中央区の文化財保護審議会は、この8月28日に明石小学校の校舎に立ち入って視察し、その上でこの要望書を提出した。区は、日本建築学会・日本建築家協会・東京建築士会の要望書やアピールに続き、この要望書も無視するのだろうか。
 大切なのは「指定された文化財だから守る」という考えを捨てることではないか。だって、「人間国宝」と呼ばれる重要無形文化財の保持者だけに人間としての価値があるわけではないものね。