siphon vortex

 今日、吉祥寺で読んだ教材に throne という語が出てきた。これは「王座」とか「玉座」という意味の語なのだが、辞書を詳しく見てみると、この語には「便座」という意味もあることがわかる。
 友人が「住宅機器の総合メーカー」に勤めていることもあって「便座」と聞くと気になってしかたがないのである。ちょうど今日は仕事のあと家庭教師に出かけたのだが、その家のトイレがあまりに立派で以前から気になっていたもので、ずいぶん前に撮った写真を思いきって送ってみたりした。
 友人によれば、それは「サイホンボルテックス式」の「ワンピース便器」とのこと。水はたくさん(16リットルも!)使うけれど、音が静かな高級品なのだそうだ。確かに音は静かで、ちょっと優雅な感じ。さすがに、お金持ちの家には高級な便器が使われているのね。
 お金がかかっているとか何とかということは別として、とにかくこのトイレは美しい。様子がいいのである。クラシックカーを見るような、ビンテージ家具を眺めるような、そんな思いがする。最新型の便器と引き替えに商品のラインナップから消えてしまったそうだが、なんとも惜しいような気がする。エコの時代ではあるけれど、美しいものは美しい。そこに間違いはないように思う。