僕はブースカブー

 明け方にはすべての仕事を終えた。これで日曜日の理事会が迎えられる。
 夕方には新宿へ。かつての同僚、いやいつものようにKちゃんと呼ぼうか、そのKちゃんが名古屋の方の大学に准教授として転任することになった。和やかな送別の会に加えていただいたのである。
 KちゃんとIさんと私の3人で「ブースカの会」などと言って連れ立って遊んでいた頃は本当に楽しかった。ともに悩みを抱えながら、教育のことや学問のことを熱く語り合った日々でもあった。
 Iさんは驚くほどの記憶力の持ち主で、今日もすっかり忘れていたことを思い出させてくれた。あのあと、それぞれが別々の道を選んだけれど、あの頃に響かせ合った思いは、それぞれの今にきちんとつながっていることを確信した。いつか、そんなことも振り返ってここに記してみたいと思う。
 懐かしい人々と過ごして思う。教師が守らなければならないものは、あらかじめ用意された答えではなく、どこに立ち続けるのかという姿勢や生き方そのものではなかったか。
 Kちゃんは博学の人であり、いつも学ぶ者へのあたたかい眼差しを忘れない人。力むことなく「立ち位置」を守る尊敬すべき教師である。新しく拓く道がこれまでにも増して幸いに満ちたものであることを願ってやまない。