真夜中の入口

 会の会計を夜中にまとめるのは、誰とも口をききたくないからである。家族の寝静まったのを見計らって、ごそごそと机上に書類をひろげる。朝であれ昼であれ、ひとりきりで仕事のできる空間があれば、夜中という時間帯にこだわるわけではないのだが。
 そんなこんなで、昼夜はほぼ逆転。受験生はこういうことをしてはいけませんよという見本のような生活である。仕事はそろそろ峠を越そうとしているのだろうか。峠は決定をしいるところだ。真壁仁だったか。野に生きた人だった。詩の中にめざめる日本だ。