切り取られた風景

 忘れていた会の原稿を慌てて書き、メールで送ってから新宿へ。大学以来の友人K君に誘われ「SPACE 107」という小さな小屋で舞台を観る。レビューである。楽しかった。宝塚でもレビューの方が好きなくらいなので、実はあの手の舞台は私のストライクゾーンの真ん真ん中なのであった。
 華やかで恰好がよいだけではなく、そこにメッセージの込められているところはまさに演出家の矜恃。「情よりも金」のナレーションには声を出して笑ってしまった。11回目にして初めて訪れたが、これまで縁遠かったことが悔しいほど。次回が楽しみだ。
 遅く帰宅して開いたメールで友人のご尊父が還浄されたことを知り、何もかもこころのうちに秘めて僕らに接してくれていたその心情を思う。お目にかかったことのないお父さまではあるのだけれど、いつだったか平和大通りを渡るとき、渡った先にある建物を指して、その友が「ここに勤めておったんよ」と教えてくれたことを思い出した。
 南無阿弥陀仏。