公認欠席

 昼、体育推薦クラスの担当者会議。授業への出席状況、課題の提出状況、テストの成績、授業への取り組み方などについて情報を交換し、担当者として単位認定の助けとする貴重な時間である。
 大学に出講し始める直前、先輩に大学に「公欠」なんてあるのかとたずねたことがあった。自分の学生時代のことを思うと、その存在が理解できなかったのだが、実際、試合や合宿や練習などで授業に出られないことの多い学生を担当するようになり、そのような「救済措置」の必要性を痛感している。
 先日来の報道を見聞きしながら、職業としてスポーツをしている学生がクラスにいたら公欠を認めることができるだろうかとずっと考えている。教務課や学生課の考えるべきことなのかも知れないけれど、担当者個人としてはその届けを受け取るのはためらわれるところだ。
 大学に籍を置きながら起業する学生は以前からいたが、そういう学生が株主総会や経営会議など業務上の都合で授業に出られなかった場合、それらが公欠と扱われることはない。職業としてスポーツをしている学生が試合や練習など「業務上の都合で」授業に出られなかった場合も、まったく同様だと思うのである。
 アマチュアリズムなど死語であるとする風潮もあるように聞くが、学生スポーツがこれを標榜していることの意味はきわめて大きい。単位認定の実務に際し、そのことを強く思う。