あじわい、ふれあい

 ファミリーレストランの「すかいらーく」が、最後まで残った川口新郷店の営業をこの29日限りで終了し、ついに「すかいらーく」名の店舗は無くなってしまうのだという。
 ひとつの時代の終わりと言うのは簡単だが、ファミリーレストランの草分けであり代名詞と呼ぶべき存在でもあった「すかいらーく」が消滅してしまうのは、なんともさびしいものだと思う。赤字に転落したあと投資会社に身売りし、ひばりが丘団地の小さなスーパーを一大外食チェーンへと成長させた創業者一族もその後経営陣から追放されてしまったと聞いていたし、店長の過労死といった問題も大きく報道されていたけれど、この業界をリードするさまざまのノウハウを積み重ねてきた企業としての功績には大きなものがあるのだろうと思う。まあ、企業を立て直すという視点でとらえるならば、いつまでも「ひばり」の歌声を楽しんでいるようなわけにもいかないのだろうが。
 最後まで残った店舗は家からそう遠くないところにあるが、閉店の知らせを聞きつけた人たちで混雑するのだろうか。最終営業日にも特別なセレモニーはなく、社長や役員が来店することも予定されていないとのプレスリリースを読んだが、まあそのようなものなのだろうとも思う。私自身、ファミリーレストランという業態の店にはほとんど行かなくなってしまっているし、今度も閉店だからといってわざわざ出かけたりはしないけれど、そう遠くないところで、先ほどから頭を離れない「あじわい、ふれあい」の歌でも歌っていることにしようか。


*今日の1枚は「すかいらーく」のマークとロゴですが、ネットで拾ったものなので著作権やら何やらについてはかなり不安です。関係の方からご指摘があればすぐに削除します。