文学忌

 今日は私にとっては結構な「記念日」なのだが、それはおいておいて、届いた本のことを書こう。

  • 大野雑草子[編] (2007)『文学忌俳句歳時記』東京・博友社

 伊藤先生のご命日にふさわしい何かよい名前はないものかと考え、いわゆる「文学忌」についてあれこれ調べるうちにこの本のことを知った。届いた本は、菊判の半裁を横に綴じた判型で、厚さは2センチ弱のかわいらしいものだが、中身はびっしり。これだけのものをまとめるのにどれほどの時間がかかったのだろうと思う。
 文人たちの忌日が日付順に並んでいるが、あいにく、今日7月15日についてはどなたの日とも記されていない。そこで一昨日のところを見てみると、7月13日はアララギ派の歌人である吉野秀雄の命日であり「艸心忌(そうしんき)」と呼ばれているということが、その名の由来ととも記されている。吉野がいつどこで生まれ、いつどこでどうして亡くなったかに続き、主な歌集と代表歌、さらには法名と墓の場所もわかるという充実ぶり。最後には、歳時記らしく「艸心忌」を季語とした複数の句が引かれている。
 ところで、吉野秀雄の「法名」は「艸心洞是観秀雄居士」というのだそうだが、この「法名」という表記が少し気になる。編者のプロフィールを読んでみると、1932(昭和7)年に愛知県でお生まれとのこと。三河の方か、尾張の方か、いずれにしても門徒さんなのかな。そんなことを考えながら、気になる日付のところを拾っては読み続けた。