敷き詰められる善意

 中野の学校に勤めている頃、先輩から「破滅への道は善意で敷き詰められている」ということばを聞いたことがある。誰のことばかは教えてもらわなかったので、軽い気持ちでインターネットで調べてみたところ、レーニンのものとする記述が多い一方で、出典は不明とするものも多数見受けられた。
 出典はともかく、善意というものが実にやっかいなものであることは確かだ。善意はときに人のやる気を根こそぎ奪う。善意はときにめったに怒らない人を本気で怒らせる。で、本気で怒ると遠巻きにされてしまったりしてさらに面倒なことになる。自分も同様の善意を振りかざしてはいないかと不安にもなるけれど、とりあえず目の前のやっかいなことが収まることを願っている。