桜のトンネル

 2週間ぶりに西東京のサークルへ。千川通り。クルマのフロントスクリーンいっぱいに桜のトンネルが広がる。風に舞う花びらも見事だが、それがじゅうたんのように通りに敷き詰められているさまも美しい。
 サークルでの聴き取りは『ローマの休日』の最終回。有名な記者会見のシーンを扱った。どの都市がいちばん気に入ったかと問われたアン王女は、どこにもそれぞれによいところがあり一か所に決められないという予定通りのことばを口にしかけて、一瞬の沈黙ののちに「ローマ」と言う。そして、こう続けるのだ。

  I will cherish my visit here in memory as long as I live.

 パラマウントホームエンタテインメントジャパン版のDVD(2006)では、この台詞に次のような字幕がつけられている。

  私はこの町の思い出をいつまでも懐かしむでしょう

 オードリーが "in memory" の部分を区切って言うところ、また、"as long as I live" という言い回しそのものの重み、そういったものを味わうと字幕では伝わらないものが伝わってくる。