投げたらアカン

 北京オリンピックの男子400メートルリレーでは日本チームが3位に入賞したが、リレーのバトンがアンカーによって放り投げられて行方不明になっていたことは、これまで各種のメディアでさんざん報じられてきた。今日の報道によれば、そのバトンが発見され、メンバーの手に戻ってきたのだという。以下、『日刊スポーツ』のウェブサイトより引用。

北京400リレー銅のバトンが戻ってきた


 あの幻のバトンが、ついに戻ってきた。日本陸連の年間表彰式が15日、都内で行われ、アスリート・オブ・ザ・イヤー(最優秀選手)に北京五輪で銅メダルを獲得した男子400メートルリレーのメンバーが選出された。表彰式では、大会組織委員会の協力によって発見されたという、アンカーの朝原宣治さん(36)が放り投げたまま行方が分からなくなっていたバトンがメンバーの手に戻った。今後は日本陸連で管理され、大会ごとに披露される計画も浮上した。
 壇上のメンバーのもとへ、思い出のバトンが届けられた。日本陸連の高野強化委員長から、第1走者の塚原へ。銅メダルが決まった日から115日。9月で引退した朝原さんは「いろんな人に『バトンはどこに行った?』と聞かれ、投げてしまった自分は責任を感じていました。帰ってきてホッとしています」と、カラフルな金属筒を見つめた。
 バトンはレース直後、北京五輪の大会関係者に回収され、保管庫に眠ったままだった。記念すべき「お宝」はなくしてはならないと、日本陸連関係者が、レース中の写真を中国陸連に送り、捜索を依頼。無事に見つかり、10月19日の北京国際マラソンに出向いた沢木専務理事が、手荷物として持ち帰った。
 今後は、日本陸連が保管する。どうするか決まっていないが、09年の主要大会などでファンが見られるように会場に展示するプランもある。「どこかに飾ってもらって、これがあのバトンかと思ってもらえたらいいですね」と朝原さん。この日の表彰式には、56年メルボルン五輪の潮喬平さん、60年ローマ五輪の大串啓二さんら過去のリレーメンバー11人が集結し、快挙を祝っていた。
【佐々木一郎】[2008年12月16日8時32分 紙面から]
http://www.nikkansports.com/sports/news/p-sp-tp0-20081216-440646.html

 今さらながら、バトンを放り投げてしまった人がリレーの選手でよかったと思う。同じ陸上競技でも、やり投げやハンマー投げや砲丸投げの選手だったらたいへんなことになっていた。しかし、やりやハンマーや砲丸ほどではないとしても、リレーのバトンは80グラムから100グラムくらいの重さがあるのだと聞くと、そういうものを放り投げては絶対にいけなかったのだと思う。
 この人は「投げてしまった自分は責任を感じていました」と言っているようだが、文脈を考えれば、大切なものを無くしてしまったことに「責任を感じて」いたようだ。そうではなくて、バトンを投げるという行為そのものを大いに反省してもらわなければならない。
 プロ野球・近鉄バファローズの投手だった鈴木啓示氏も「投げたらアカン」と言っていたぞ。意味が違うって。