メッセージとしての歌声

 生田で3コマを終え、大急ぎで本郷の求道会館へ。コミュニティ21が日本点字図書館を支援する目的で主催するチャリティライブが開催されるのだ。
 近角常観師が建て、清沢満之師が学んだ求道の場。その正面の六角堂に安置された阿弥陀さまの前で、茶髪を長くしたブルースシンガーが歌っている。それは、人と人とのつながりを信じたいというこころの願いであり、わずかな時間でよいから他人を思って生きてみないかという呼びかけの声であり、自分の居場所を確かめようとする魂の叫びである。
 アーティストの名はRio。どこかに懐かしさを感じさせるメロディと、素直に耳に入り心まで届くことばの数々。大阪弁の語りで笑いを誘いながら、ギターの確かな腕前を披露しつつ、自作の曲を次々に歌い上げていく。あっという間の1時間半だった。
 昂揚感とともに帰宅すると、最新の『英語教育』が届いていた。さっそく、拙稿の組み上がりを確認する。今月の特集テーマは「'09英語教育〜変わるもの・変えられないもの〜」だが、その誌上で「昔の先生」を取り上げさせてもらえるとは、まったくの偶然だがよくできた話だと思う。