縁側、夕立、朝顔、ひまわり

 愛知県の岡崎という地名を「縁側」とか「夕立」のようなアクセントで発音できる人は、この土地に馴染みのある人だと思う。東京近辺の人は、たいてい「朝顔」とか「ひまわり」のようになってしまうものだ。
 この町には先祖の墓がある。この墓は明治2年に亡くなった河村弥太夫という人が天保年間に建立したもののようで、無縁墓として処理されかけているところを、ここにきっとあるはずだと告げられた父が平成になる頃に発掘したものだった。
 昨夜からのひどい雨で災害に遭われた方もあることをニュースで見聞きし、胸が痛む。そのようなニュースの中で岡崎の名を耳にし、他人ごとのように思えなかった。
 天気予報では東京も荒天の模様だったのでずいぶん用心していたのだが、日中は実にいい天気だった。ベランダから見下ろす街の景色も妙にキラキラしていたなあ。